ツバメとカラス
12日 5月 2024
 春になって、当院へつばめがやってきました。しかしながら、巣を作ろうとしているのがまさに患者さん達が出入りする自動ドアのセンサーの上!これはいけない、というので巣を作れないようにトゲトゲの猫除けを置きました。きちんとした鳥避けのトゲトゲもあるようですが、とりあえず自宅の庭の猫除けをちょうどよい大きさにカットしてのせたところ、1日どうにか作れないかとうろうろしていましたが、翌日にはあきらめて来なくなりました。8月までは念のために載せたまま様子をみようと思います。 ツバメとは別に、カラスもやってきて、なぜか患者さん用の傘立てに止まったまま動かないので、ホウキで追い払いました。すると、その日の帰り道、なんと当院の看護師さんがカラスに襲われました。他の職員は車通勤ですが、一人だけ自転車で来ているので、頭を2回つつかれたそうです。私もカラスにふんを落とされましたが、幸い外れました。カラスは復讐するという話は本当だったと身をもって体験しました。
30日 4月 2024
NPO法人こえもじはUDトークやYYプローブなどの音声認識アプリを活用した文字変換、文字表示の研究や普及啓発活動を実施している団体です。 難聴者・中途失聴者協会の賛助をしていると自然と要約筆記の方々ともご縁ができるのですが、豊田市・岡崎市・刈谷市などの要約筆記サークルの方々が中心となって活動されています。 以前UDトークは使っていたこともあるのですが、スマホを新しくしてからは途絶えていました。地元アイシンの開発したYYプローブも気になります。活動を賛助したいのと、自分自身も音声認識アプリを活用できるようにと入会しました。 こえもじは2カ月に1回研修会を開催しており、会員でなくても参加費100円で音声認識アプリの使用方法等をレクチャーしてくれますので、ご興味のある方はぜひのぞいてみてください。 UDトークは各言語の翻訳にも使えたり、音声の文字おこしにも利用できるので、大変便利です。
30日 3月 2024
各都道府県には聴覚障害者センターや、さらには各自治体には手話サークルや要約筆記サークルというものが存在しています。今回はあいち聴覚障害者センターの主催しているトータルコミュニケーション講座について紹介します。入門編と会話編があり、毎月1回開催されています。入門編は各自治体の手話サークルや要約筆記サークル、難聴者団体等の協力のもと、各自治体で行われ、2023年度は東海市で行われました。2024年度は安城市で行われます。会話編は名古屋城近くにあるあいち聴覚障害者センター内で開催されます。補聴器等を使用しても会話の聞き取りが困難な方はぜひ参加してみてください。クリニック内にも案内のチラシを設置しました。
スギ花粉の季節です
26日 2月 2024
スギ花粉のピークが近づいてきています。 写真は画像生成AIに「花粉症で鼻のつまった日本人若年女性、背景はスギの山」と指定してできた写真です。いろいろな条件で作ってみましたが、何か不自然な感じがぬぐいきれませんね。 さて、「スギ花粉症におけるアウトカム研究」によると、早期から花粉症の治療を開始した人が最も症状は軽く済むのですが、興味深いのは症状がひどくなってから薬局の薬でなんとかしようとした人は全くよくならず、むしろ薬の副作用で眠くなるだけとも解釈できる結果になっていることです。 いずれにしても、アレルギー反応はぼやのうちからしっかり抑えることが肝要です。私自身もスギ、ヒノキ、イネ科の花粉症がありますが、パウダータイプのステロイドの点鼻薬をベースに、ロイコトリエン受容体拮抗薬と抗ヒスタミン薬を加えることで、軽度の症状のみですんでいます。ただし、よく晴れた風のある日にいかにも花粉がありそうな場所でノーマスクで過ごしたらアウトです。
きこえカフェ刈谷
12日 2月 2024
本日刈谷市総合文化センターで「きこえカフェ刈谷」を開催しました。難聴で悩んでいる方と難聴のある方とのコミュニケーションに悩んでいる方が集まり、要約筆記や音声認識ソフト、ヒヤリングループといった情報補償のもとで話し合いをしました。円滑な話し合いのために定員を最大25名までとしたところ、20代から90代までの24名の方にご参加いただきました。親しい人とのコミュニケーションをテーマとしましたが、お互いに聞いてみたいことなどでも話が盛り上がり、あっという間の3時間でした。「次はいつありますか?」という声もあり、今後も刈谷近辺での継続開催をしたいと思います。 2月17日には安城市であいち聴覚障害者センター主催の第3回リハビリ講座があります。土曜日なので私は参加できませんが、おしゃべり会とコグニサイズについての講演会の2本立てですので、参加できる方はぜひ参加してみてください。 写真はきこえカフェ受付の様子です。
デフ・ヴォイス
01日 1月 2024
年末にNHKで『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』というドラマが前編・後編と2回にわけて放映されました。ろう者の家族の中で唯一、健聴者として生まれた荒井尚人という手話通訳者が主人公で、草薙剛が演じていました。丸山正樹という作家のデビュー作として原作の『デフ・ヴォイス』が出版されたのは2011年、私がこの本を図書館でみつけたのは2018年のことでした。タイトルが気になり、早速借りてみたところ、手話通訳士という今までにない職業の主人公の法廷ミステリーで、心理描写も巧で非常に読み応えがありました。作者本人がCODAの方かと思った程ですが、特にそういう背景を持った作者ではなく、たまたまろう者の世界を題材にミステリーを書くことにしたそうです。相当な取材をしたのだろうと窺われます。ちょうど私が『デフ・ヴォイス』を読んだ2018年に二作目となる『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』が出版され、すぐに続編を読めるという幸運に恵まれました。2019年には三作目『慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス』、2021年には四作目となる『わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス』が出版されています。
03日 12月 2023
聴覚情報処理障害では音は正常に聞こえても、聞き分けられない状態となります。特に騒音がある環境で言葉を聞き取るためには非常に複雑な処理を必要とするため、足が速い人とそうでない人がいるのと同じように、騒音下でも聞き取る力のいい人と悪い人がいます。騒音下で平均的な人よりも極端に聞き取りが悪い人は、できるだけまわりが騒がしくないところで少人数で話をするなどの環境調整が望ましいです。片耳は正常の聴力で、もう片方が難聴の人も、騒音下での聞き取りが極端に悪くなります。 環境調整の他、話す側がゆっくりはっきり話す、聞く側は耳に手をあてるなどちょっとした工夫でもだいぶ違います。また、難聴があって、かつ騒音下での聞き取りが悪い人は、補聴器をつけてもうるさいところでの会話は聞き取れません。やはり環境調整が重要です。マイクの音を直接補聴器から出力する補聴援助システムも有用です。
12日 11月 2023
きこえカフェは現在、東京大学先端科学技術研究センター・当事者研究分野で特任助教をされている勝谷紀子先生が2018年から行っている交流会です。勝谷先生は心理学が専門で、かつ、ご自身が難聴で、聞こえにくい人、聞き取りにくい人を対象に、情報補償がされたゆったりとした雰囲気の中で、様々なテーマについて、自由に率直に自身の意見を述べ、相手の意見を聞くという場としてきこえカフェを運営されています。難聴の問題のサポートには、難聴の予防、経過観察、治療、再発予防だけでなく、心理的支援や福祉的支援、教育的配慮も重要で、きこえカフェのような場を経験することは精神的にとても意義があることです。2024年2月12日(月)13時半~16時半、刈谷市総合文化センターにて、きこえカフェを対面で開催することになりました。ご興味のある方はhttps://sites.google.com/site/norikokatsuya/kikoecafe のサイトへアクセスして、お申込みください。
要約筆記体験教室
12日 10月 2023
要約筆記とは、会話を聞き取れない難聴者のために書いて情報を補償する技術です。単なる筆談とは異なります。わかりやすく見やすく筆記するためのコツもいろいろとあり、個人的には高校生あたりで要約筆記を習うと国語力アップにもつながると思っています。百聞は一見にしかず。来月8日に知立市で要約筆記体験教室が開催されますので、ご興味のある方はぜひ参加してみてください。
10日 9月 2023
上咽頭擦過療法、通称Bスポット療法は1960年代に堀口申作医師が始めた日本独自の療法です。上咽頭は鼻の奥、のどの一番上部に位置し、鼻やのどから入った病原体が感染を起こす場所であると同時に病原体と戦うリンパ組織が豊富な場所です。また、脳へ出入りする神経や動静脈がその裏側に集まっている場所でもあります。この上咽頭に収れん作用のある薬液をマッサージするように塗り付けるのが上咽頭擦過療法で、近年コロナ後遺症に有効であるとして注目されています。直接薬液をつけることで効果的に上咽頭の炎症を抑えられると同時に、上咽頭の裏側の神経や血管に刺激が加わることがよいのではないかと推測されています。両鼻からそれぞれ綿棒をいれて擦過する方法、のどから大きな曲がった綿棒のようなもの(捲綿子といいます)で擦過する方法があります。反射の強い人(オエッとなりやすい人)にとっては鼻からの方が楽ですが、のどからの方がしっかり擦過できるので、当院では基本的にのどから行っています。

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